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2025.07.1017:00

CUTIE STREET ソロインタビュー Vol.4:佐野愛花「ずっと自分でいるのが私のやり方」 “幸せ”を目指して、明るく、正直に

夢へ踏み出したきっかけは“同級生の言葉”


――佐野さんはどんな学生時代を過ごしてきましたか?

佐野愛花(以下、佐野):芸能活動を始めたのが高校3年生で、それまでは普通の学生生活を送っていて、わりと活発だったと思います。運動が好きなので体育委員をやったり、学級委員をやったりしました! みんなの前に立つのが特別好きなわけではないんですけど、先生とか友達に「学級委員をやってよ」と言われて「じゃあやるか!」となることが多かったです(笑)。

――「佐野さんは○○だよね」みたいに、先生や同級生からよく言われていたことはありますか? 

佐野:「ずっと笑ってる」「いつも楽しそう」ってよく言われていたのと、学生のときは「一見しっかりしてなさそうだけど、意外としっかりしてるよね」って(笑)。

――意外と、なんですね(笑)。清楚でしっかりされているように見えますけど。

佐野:ははは。今はちゃんとしているんですけど、私は妹というのもあって実際は甘える方ではあります(笑)。あとは、お姉ちゃんが怒られても、私はうまくすり抜けてきました。

――下の子って立ち回りが上手いですからね。

佐野:ふふふ。それもあって「要領がいい」って言われていました。お姉ちゃんはテスト勉強とか毎日コツコツ着実にやっていくタイプなんですけど、私は提出期限の1週間前くらいに一気にやる。それでお姉ちゃんと同じ成績を取っていました。

――器用ですね!

佐野:すごく器用なわけじゃないですけど、不器用ではない気がします(笑)。

――「高校3年生の時に芸能活動を始めた」と言っていましたが、何かきっかけがあったんですか?

佐野:学年が上がるにつれ、進路について考えるようになって。学校的にも「大学には行った方がいいよね」という雰囲気だったのもあり、自分も周りの子と同じく、当たり前のように大学へ行こうとしていたんです。高校2年生ぐらいから塾に通い始めて、本格的に勉強をしていました。でも、元々芸能活動には憧れがあって。いつかやりたいとは思っていたものの、芸能活動を始めるなら早い方がいいし、もう遅いのかなと感じていて。

――そもそも芸能活動をしたいと思ったのは?

佐野:小さい頃からテレビが大好きで、テレビの中の人に憧れを持っていたんです。特に心を惹かれたのが、広瀬すずさん。中学1年生の頃にすずちゃんを見て、自分もこういう人になりたいな、と思ったのが大きなきっかけでした。でも、高校生になって「芸能活動は夢のまた夢だな」と思い、とにかく毎日勉強ばかりしていました。

――堅実な道へ進むために励んでいたと。

佐野:でも、高校3年生の夏ぐらいに「私はどこに向かっているんだろう?」「何をしているんだ?」と思うようになって。「大学に入って、そのまま一般企業に就職するのか?」って言われたら、その未来が自分には見えなかったんです。それだったら、自分が今したいことを1回やってみるのもありかなと思い始めたのと……それ以上にいちばん大きなきっかけがありまして。

――いちばん大きなきっかけ、ですか?

佐野:同級生の男の子が「俺はお笑い芸人になるから、大学には行かない」と言ったんです。その話を聞いて「え? それ、ありなの?」と思ったんですよ。身近で周りと違う選択肢を取る人を初めて見て「そういう道もあるんだ」とハッとしたんです。そこから私も本当にやりたいことをしよう、と決意が固まりました。一時は芸能の専門学校に行くことも考えたんですけど、それよりも芸能事務所に入って活動するのがいちばんいいのかなと思って、進学は辞めようと。ただ、塾の先生に何も決まっていない状態で「もう辞めます」と言うのは気が引けたので、急いで事務所を探しまして。「事務所に入ることが決まったので、辞めます」と伝えました。

――芸能事務所は自分で探したんですか?

佐野:そうです。私は思い立ったら即行動、みたいなタイプで。自分のやりたいことが決まったら、「じゃあ、こうしてああして、それをして……」とガムシャラにやるタイプです。

――ご家族には相談しました?

佐野:はい。でも、相談というよりも確認でした(笑)。私の中では意志が固まっていたので、「芸能活動をしたいから大学には行かないけどいい?」とお母さんに聞いたら「愛花がしたいならいいと思うよ」と尊重してくれました。

――そこからどのように活動されていたのでしょう?

佐野:まずは知ってもらわないといけない、と思いまして。何もない自分がどうしたらいいのかと考えたている中、当時のマネージャーさんとも相談してABEMAさんの恋愛リアリティショー番組に出演しました。でも、当時いちばんやりたかったのはお芝居なので、演技のレッスンを受けつつ、舞台を中心に活動していて。

――すごい! やりたいことを着実に形にしていったんですね。

佐野:とはいえ、ドラマや映画などの映像作品にも憧れていたんです。それは中々うまくはいかず、オーディションを受けては落ちる日々が続いていました。でも、しばらくして自分の中で物事がうまく進み始める流れがあったんですよ。それまでずっとオーディションに落ちていて、たまに受かる感じだったんですけど、5回連続でオーディションに受かるようになって。自分的にも「やっと認められ始めたのかな」「やりたいことと求められるものが合致してきたのかな」と思い始めたときに、CUTIE STREETのオーディションを知って。「これは挑戦してみたい」と思って今に至ります。

――役者とアイドルは、同じ芸能でも畑が違いますよね? 

佐野:ミュージカルを経験したときに、歌って踊ることが楽しいと思ったんです。それと、なんとなく自分はミュージカルよりもアイドルのように歌って踊る方が、きっと向いているし、そっちの方が楽しいだろうなって。そこからアイドルの選択肢もあるのかも、と思っていたときに、マネージャーさんから「アイドルのオーディションがあるらしいんだけど、挑戦してみる?」と聞かれて。自分なりにじっくり考えた上でやってみたいと思いました。


「明るくしていないと自分が壊れてしまうと思った」



――いざ、合宿オーディションに参加されてどんなことを感じましたか?

佐野:自分を見つめ直す期間でもあったし、自分はどこが強みで「それをどう伸ばした方がいいのか?」と考える時間になりました。“ほかの子VS自分”というよりは“自分VS自分”みたいな期間だったなと思います。印象に残ったのはオーディション合宿中、みんなも寝る時間を割いてベストを尽くすために練習していたように、私も睡眠との戦いがいちばんの壁で(笑)。寝ないとメンタルにも支障をきたすので、体力や気力を保つのが大変でした。

――オーディション中のインタビューでも「今、過密スケジュールで。笑っていないとおかしくなっちゃう」と言っていましたよね。

佐野:はい。なんか……気持ちが落ちちゃうと、もう上がれないかもと思って。だから……(思わず涙を流して)常に明るくしていないと、って。元々明るい性格ではあるんです。だけど、明るくしていないと自分が壊れてしまうと思ったし、頑張れなくなっちゃいそうだったから。そういうマイナスな気持ちとか、不安な気持ちはたくさんあったけど、それを見ないようにシャットアウトして。常にプラスの気持ちを自分の中から引っ張り出して、どうにか明るく乗り切る感じでした。

――そんな大変な状況の中でも頑張れたのはどうして?

佐野:頑張れた理由は2つあって。1つは「もういいや」と一瞬でも諦めてしまうと自分に負けた気がするから、それだけは嫌だったんです。合宿の期間中、常にいちばんいいパフォーマンスを出したいと思ったから、絶対に自分に負けたくなかった。「もうちょっと寝たい」「もう少し、みんなとご飯を食べてゆっくりお話ししたい」とか、そういう気持ちもあったけど、でも今はそんなことをしている場合じゃないからって。なんとしてでも、審査でベストを出したかったので。

――もう1つは?

佐野:あとは当時23歳で、しかもアイドル未経験だったけど、だからこそきゅーすと(CUTIE STREETの略称)に懸けていたんです。漠然と25歳までに芽が出なかったら、芸能は辞めようと思っていて。そのタイムリミットが近づいていたから、なんとしてでも掴み取りたかった。当時所属していた事務所のマネージャーさんには「芸能は正しい方向に5年間努力をしていたら、いつか必ずチャンスが来る。そのチャンスを掴み取れるかどうかは、愛花次第だよ。そのタイミングを待つしかない」と言われ続けていて。きゅーすとのオーディションを受けたのが、芸能活動を始めてちょうど5年目だったので、そのチャンスがきっと今だと思っていたから、絶対に諦めたくない気持ちがありました。

――佐野さんは高校3年生でみんなとは違うレールを選んだ。そこから芸能の道が始まっているからこそ、ここでもし落ちて25歳を過ぎてしまったら、当時の選択が間違っていたことになってしまう。そういうプレッシャーもあったんですね。

佐野:ありました。無駄な5年間にしたくないから、ちゃんと自分の中で「この道を選んでよかった」と思えるようにしたい、と思っていました。(再び涙を流しながら)……大学に行かなかったのも簡単な気持ちで後戻りしないように、というのがあって。もしも大学に行ったら、卒業のタイミングで「今から芸能を目指してもアレだし、じゃあ就職するか」と自分に妥協した選択を取ってしまうかもしれない。そう思いたくないから、簡単に切り替えられない道を選んだんです。

――茨の道を進むその根性は、どこから来るものなんですか?

佐野:すずちゃんの話にも繋がるんですけど、『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』という映画がすごく好きで。「頑張り続けるしかない」というセリフがあるんですけど、確かにそうだよなって。やりたいことがあるなら、途中で悩んだりネガティブにもなることがあるかもしれないけど「頑張り続けるしか選択肢はないな」と思って、今までやってきました。

――オーディションを乗り越えて、いざメンバーに選ばれたときはどんな気持ちでしたか?

佐野:嬉しかったのもありますけど、それ以上に安心感が強くて。自分の中で落ちる想像はしたくなかったから、ずっと受かることだけを想像して合宿を乗り切ったので「あぁ……よかった」って。その後に嬉しさが込み上げてきました。

――合格されて、真っ先に報告したのは?

佐野:ママに伝えました。すごく喜んでくれましたね。私が頑張っていたのをいちばん近くで見てくれていたから「これから頑張ってね!」って。親も私と同じルンルン系なので、しんみりと「大丈夫だよ」と声をかけるよりは「頑張れ〜!」みたいな感じで。合格の報告をしたときも「良かったね〜!」と明るく言ってくれました。


ファンからの声で気づいた自分の魅力



――8月4日にはデビュー1周年を迎えますが、心境はいかがですか?

佐野:怒涛の毎日を送っていたら、気づけばもうすぐ1年が経っていた感じです! 本当にあっという間でした。

――活動するうえでソロとグループで心持ちは違いますか?

佐野:全然違います。1人のときは自分しかいないから、誰かに頼ることができないので、全部自分で解決しないといけない。でも今は7人もいるから、肩の力を降ろしたまま活動ができているなって思います。きゅーすとのメンバーは心強いです!

――これまでの活動で印象に残っていることは?

佐野:いろいろあるんですけど、いちばんは『TOKYO IDOL FESTIVAL』(通称『TIF』)のデビューライブです。初めてアイドルとしてステージに立って、お客さんを見たときは衝撃を受けました。オーディション期間は鏡に向かって練習したり、誰かに評価をされることありきで歌って踊っていたけど、その場にいるお客さんは評価をしてるわけではなく、ただ楽しんでくれているのが伝わってきて。そこで初めて「そっか、本当にオーディションが終わったんだ」と実感しました

――『TIF』で歌い終えた後のことは覚えていますか?

佐野:もはや緊張しすぎて、本番中のこともみんな覚えていなかったです(笑)。「あっという間すぎて、何が起きたか分からない!」みたいな。でもオーディションが終わってからの準備期間も、みんなで必死に頑張ってきたから、やっとお客さんの前に立てた喜びを8人で噛み締めましたね。

――きゅーすとの活動を通して感じた、アイドルと女優の違いはどこでしょう?

佐野:私は舞台の経験が多かったので、そっちに絞ってお話をすると、ファンの方との交流がいちばん大きな違いだと思っていて。アイドルの方が距離が近いんですよね。ステージ上で表現するのはどちらも共通していますが、ファンの方の見方が全然違う。あと、お芝居は舞台上でお客さんに対して魅せることで成立するけど、アイドルはお客さんの声援を含めて会場全体で成立するもの。自分がアイドルになったからこそ、そこに圧倒的な違いがあると実感しました。

――逆に、共通点はありますか?

佐野:スタッフさんやプロデューサーの(木村)ミサさんには「愛花の歌は感情が伝わりやすい」と言っていただくことがあって。お芝居で培ったことが反映されているのかな、と思います。アイドルも女優も言葉を表現するという点は、まんま一緒だなと思っていて。歌うときは歌詞を書いてくださった方の意図や私たちの気持ちが伝わればいいな、と思いながら歌っているんです。きゅーすとはいろんな環境で頑張ってきた人たちが集まって、今1つのグループとして活動しているんですけど、私は“届ける”部分でグループに貢献できているのかなって感じます。一方で、メンバーからは常に刺激をもらっていて。それぞれ個性が強くて、違った得意分野があるんです。1人ひとりの長所を活かした魅せ方を目の当たりにすると、「ああ、すごいな!」と思いますね。




――ステージングとは別に、グループにはまとめ役とかムードメーカーなど、チームワークとしての役割もそれぞれにあると思いますが、佐野さんのポジションは?

佐野:私は基本的にいつも楽しいし、グループの中でもポジティブな方だと思うから、そこなのかなって。テンション高めな部分を担っていると、勝手に思っています(笑)。

――素晴らしいですね。この1年間を通して、ご自身の中で成長したところはどこでしょう?

佐野:私はかなりの緊張しいなので、今もお客さんの前に立つと緊張するんですけど、ライブを重ねたことで徐々に慣れてきたのもあって。1年前よりもリラックスしてパフォーマンスができるようになったのは、自分的に成長したところかなと思います!

――今、個人として叶えたい夢や目標はありますか?

佐野:CUTIE STREETとして大きくなっていくのがいちばんですけど、その先に今までやってきたお芝居の経験を活かして、ドラマとか映画にも出られる人になりたいです。あ、もう1ついいですか? 

――もちろんです!

佐野:朝ドラに出たいです! ずっと憧れだったし、オーディションに挑戦したこともあったので、その夢はいつか叶えたいです。

――それを叶えることも含めて、今見えている課題はなんでしょう?

佐野:表現力を磨くことですね。これはアイドルの話になるんですけど、歌をとにかく頑張らないとなって。ダンスは昔からやってきたから得意な方ではあるんですけど、アイドルはダンスと歌で言ったら歌の方が圧倒的にみんなに届くと思うので、歌唱力をレベルアップさせたい。みんなの心に真っ直ぐ入っていけるよう、もっと歌えるアイドルになりたいです。

――ちなみに、活動する上で大事にしていることはありますか?

佐野:「ありのままでいること」「素直でいること」はとても大事にしています。いろんなアイドルを見てきたわけじゃないから“アイドルはこうあるべき”という理想像は正直あまり分からないんですけど、分からないからこそ「私はありのままでいたいな」って。それが悪く出ることもあるとは思うんですけど、私は思ったことしか言いたくないし、嘘をつくのは嫌なので、自然体でありのままの自分でいたい。プライベートの佐野愛花とアイドルの佐野愛花で分けるのではなく、ずっと自分でいるのが私のやり方というか……そういう自分が私の中では正解だと思ってます。

――あらためて、佐野愛花はどんなアイドルだと思いますか?

佐野:見ている人が自然と元気になったり、明るい気持ちになったりするアイドルだと思います! どうしてなのかは自分でも分かってはいないんですけど、ファンの方の感想とかコメントで、そう言っていただくことが多いんです。自分の声はキンキン聞こえて、あんまり好きじゃないんですけど、それが明るくスパンと聞こえるときもあるのかなと思っていて。「声を聞くと明るくなる」と言ってもらえることも多いです。あ……さっき言えば良かったことがありまして!

――ぜひ聞かせてください!

佐野:私、自分の中で“多幸感”を大事にしていて。自分が幸せでいることで、見ている人も幸せにできると信じているから、常に私自身が幸せでいることが大切。自分の明るさが伝染して、「明るくなれる」とか「前向きになれる」と思ってもらえたら嬉しいです!



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